マイスターの仕事 指揮者 飯守 泰次郎 session 1
やや雲がかかってきたせいか、京都はじんわりとした暑さに包まれていた。
地下鉄烏丸線の北山駅を降り、歩いて数分のところに京都コンサートホールがある。
府立博物館に隣接した閑静な立地であり、敷地の入り口には噴水があって、扇状に広がる大理石の池には
風に応じて小波が立ち、いかにも涼しげである。
そのガラス越しにあるレストランから見たら、さぞ美しいことだろう。
今日は、そこを活動拠点とする京都市交響楽団の第512回定期演奏会がおこなわれた。
第2部からではあるが、私も鑑賞させていただいたので、報告したい。
これを読んで、クラシック音楽や京都市交響楽団を身近に感じていただけたら幸いである。
今日の演奏会のテーマは、17世紀から18世紀を舞台に描かれた恋。特に第2部ではドイツの作曲家、リヒャルト・シュトラウス
(1864~1949)作の交響詩「ドン・ファン」と、歌劇「ばらの騎士」が演奏された。
「ドン・ファン」は理想の女性を追い求めて、次から次へと女性へ映るものの、結局満たされず。最後は決闘で落命する
主人公ドン・ファンの姿を描いている。
「ばらの騎士」は非常に人気のある歌劇で、18世紀の貴族社会を風刺しながら、恋の美しさとはかなさを見た者の心に
強く印象付ける。一度見たら忘れられない作品である。
「ばらの騎士」とは、婚姻の誓いに貴族が相手の女性に贈る銀のばらを届ける使者を指しており、これは18世紀の
オーストリア貴族間で行われている慣習という設定であるが、これは創作である。
「ばらの騎士」を務めるのが、主人公の元帥夫人マリー・テレーズの愛人、青年貴族のオクタヴィアンであるが、これは
ソプラノまたはメゾソプラノ歌手が男装して演ずる、いわゆる「ズボン役(女性が男性の役を演ずる事)」の代表格である。
また、劇中でオクタヴィアンが一目ぼれした女性のために一計を案じてマリアンデルという女性に「女装」する設定がある。
sexalityが女性の役者がオクタヴィアンという男性のgenderを演じ、それがまたマリアンデルという女性のgenderを
「演じている」(元に戻ったわけですね)。
男女の境界線をいったりきたりする不思議な舞台。
そして、この物語の核となるのが元帥夫人。まだ30代前半であるものの、加齢による衰えを気にし、
やがて若いオクタヴィアンが自分の下を去っていくであろう事を予感し、その心の揺れを演技とアリアで表現する。
そして予感どおり、オクタヴィアンは若い女性と結ばれるのだが、夫人はそれを粛然と受け入れる。
人はなぜ恋をするのか?その難題に対する答えのヒントを、夫人の演技から読み取ることができるかもしれない。
それほど元帥夫人の役は難役とされているらしい。
興味をもたれた方は
『指揮者列伝』という本の中で、著者が強く勧めていたので購入してみましたが、俳優、舞台、そしてカメラのアングル等
初心者には申し分なく、十分堪能できました。
実際のコンサートの模様は、また明日お伝えします。
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投稿者: bless 日時: 2008年05月19日 00:09 | TOPページへ ▲画面上へ
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