時間
私の飼っている犬は、10歳を越えています。一般で言う「高齢犬」の部類に入っているようです。
犬の年齢と老化の関係は、犬種といった遺伝的なものから、飼われ方といった環境的なものまで、多種多様な要因が絡んでおり、特に、
「ヒトでいったら何歳にあたるの?」というよく聞かれる質問は、ヒトの年齢と老化の関係が相対的で、個人によって異なる事からいっても、答えるのが非常難しい質問です。
ヒトと犬は平均寿命から言っても、日本なら80歳位と、10歳位という、8倍ほどの差があります。
犬の場合、戸籍にあたる「登録」という制度はありますが、強制にも関わらず半分くらいしか登録していないといわれており、寿命はおろか、全体の頭数も推測の部分がかなり多いのです。
でもやっぱり、「10歳過ぎると要注意!!」とか、数字を聞いたらドキッとするものです。飼い主さんの注意を促すという意味では、「ヒトで言えば・・・」というのも、分かりやすい目安になっていいかもしれません。
大切なのは、注意すること、つまり犬の老化のサインを見逃さない、という、飼い主さんの意識を変えることにあると思います。それは一緒に生活している飼い主さんだからできることです。
そして、飼い主さんも犬の「老い」を受け入れる心の準備をすることです。
以前、『象の時間 ネズミの時間』という本がありましたが、寿命が違うという事は、生体時計が違うという趣旨だったと記憶しています。
犬は長くて20年、すると1日がヒトでいう4日分くらいに相当しているのかもしれない、と聞いたことがあります。
それほど彼(彼女)らの時間は、濃密で、大切なものなのだな、それなら、老いても、この家にいてよかったと思ってくれるように楽しく過ごさせてあげたい、と思うようになりました。
それから、帰ってきたら寄ってくる犬に「今日はどうだった?楽しかった?」と必ず聞くようになりました。
時間があるときは、好きな遊びを一緒にして、夢中になっている姿を見るのが、とても幸せです。
老いていくことを、単に失われていくこと、と捉えるのではなく、今この時間、犬が今目の前にいて、自分に気持ちを向けてくれている事を大切にしたいと思っています。
それがそれぞれの「時間」を生きる、生命同士の稀有な繋がりなのではないでしょうか。
もちろん、人間同士においても、それは同じだと思います。

