『星の王子さま』 深い謎かけ
『星の王子さま』(新潮文庫)
サン=テグジュペリ(著),Antoine de Saint‐Exup´ery(原著),
河野万里子(翻訳)
これまで、日本中に『星の王子さま』を広めてくれた名訳本として、内藤訳があります。
星の王子さま(ペーパーバック)
サン=テグジュペリ(著),内藤濯(著)
Amazonでベスト500レビュアーに選ばれている、落鳳坡さんのレビューが、
河野さんの新訳本と、永遠の名訳本である内藤版との対比がとても素晴らしかったので、抜粋して載せさせていただきます。
著作権が切れた後で一斉に新訳が出ましたが、その底本的な位置にあるのがこの内藤氏による訳です。 本訳は時々「読みにくい」とか「日本語として変だ」という指摘を受けます。確かにてにをはが省略された部分がありますし、堀口大學の「人間の土地」での訳は「伝えたいことがたくさんあるんだ」と言わんばかりの前のめりのテンポなので、サン・テグジュペリ本人の文章を忠実に訳したものなら、新潮社版の河野万里子氏の訳が一番近いものだと思われます。
しかし、本著に根付く独特の清涼感と空間性は、他の訳本とは比べものにならないほど高いです。それはリズムが日本語としてこなれているからです。 内藤氏は原文を直訳するのではなく、日本語のリズムとして心地よいように、原文よりもオフビート気味にリズムを抑えた翻訳をしています。一文の整合性よりも、作品の本質を日本人的な情緒で無理なくとらえられるように文章を調整して訳しているわけです。そして面白いことに、音読したり声としてイメージ化したとたん、原文のリズム感が文章に宿ります。まるで「ほんとうに大切なものは目に見えない」という本書のメッセージを実践するかのように。そんな訳を原文の文化的なイメージを殺さずに綴れている本にはなかなかお目にかかれないと思います。
直訳という点では確かに違うかもしれませんが、日本人の心にすっと響く、調和のとれた創造的な訳という点では、今でも全然色あせない名訳です。むしろこの訳が本書の日本での人気を決定づけたのではないのでしょうか。
サン=テグジュペリの、一見なぞかけの様な、鋭い「アフォリズム」を追及したものとして、以下の本をお奨めします。
内容(「BOOK」データベースより)
大切なものは目に見えない―。『星の王子さま』の作者として知られるサン=テグジュペリの名言集。星の輝きのように、優しく、そっと光をなげかけてくれる言葉たちが、淋しいとき、疲れたとき、くじけそうになったとき、いつでもそばにいてくれます。どこからでも、ページをめくってみてください。答えはいつも、ここにあります。
著者略歴(「BOOK著者紹介情報」より)
齋藤孝
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院博士課程を経て、明治大学文学部教授。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(Amazonカスタマーレビューより抜粋)毛色の変わった名言集となるのは間違いない。
なんてったって、あの「星の王子様」の作者、サン=テグジュペリの著作から集められた言葉(星の言葉!!)を綴ったものなのだ。
本のつくりとしては、基本的には、見開き左側に見出し、右側にサン=テグジュペリの言葉が一言書かれているだけで、文字の数だけで言えば、スカスカなものである。
しかし、多くの言葉は、名言慣れした私のような者にとっても、印象に残る言葉が多く、内容的には決してスカスカな物ではない。
というわけで、「名言、格言好きなら中年おじさんでも大丈夫」な本である。
もちろん、一番いいのは、実際に手にとってみて、お気に入りの言葉があったら買ってみることだ。
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投稿者: bless 日時: 2007年10月30日 07:19 | TOPページへ ▲画面上へ
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