ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS) (Fx COMICS) - 和書 - Med草子アマゾンショップ

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アイテム詳細

沙村 広明

太田出版

グループ:Book

ランキング:-

価格:¥ 700

発売日:2007-12-18

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カスタマーレビュー

作者は恐らくサディスティックな自分を見せたかっただけ  (2008-12-01)
作者は「無限の住人」連載時から公言していたサディスティックな部分を見せたかっただけなのだと思う。
「俺、描こうと思えばこんな内容のも描けちゃうんだぜ?」的なものであり、
何かを訴えたくて描いたわけではなく、ただ大した意味もなく少女達の不幸が描ける自分を見せたかっただけ。
だからさして内容もなく、総じて薄っぺらい。内容というよりは作者の引き出しの多さを見せつけられた感じだが
作者がこういう作品を出すことにまったく躊躇しない点は大いに感心する。
作者は一般受けする作品というものを真面目に考えればキチンとした評価は得られる人なのである。
画集の「人でなしの恋」が批判を浴びている理由はその凄惨たる内容であり、
画力そのものは大いに評価されているので、責め絵など描かずに和服美人程度で収めておけば高評価を得られただろう。
この作品も孤児でありながら端正な顔立ちの少女が貴族の元へ奉公するという、テーマ自体は非常に今の時世に合ったものであり、
作者は方向性さえ違えずに真面目に描けば、森薫の「エマ」を食うことだって出来ると自分は確信している。
批判を受けるという事態は前もって予想出来ただろうにそれを省みずにこの作品を刊行してその通りになっちゃってる辺り、
「沙村さんって本当はSじゃなくてMなんじゃねーの?(笑)」と皮肉ってみたくなったりもする。
そして作者の軽いノリのあとがきからは「俺まだ本気出してないから(笑)」的な感情がひしひしと伝わってくる。
作者が本気を出したら「氏賀Y太」級の作品が出来上がっちゃう可能性があるんで日の目を浴びることはないんでしょうけど。

ラストが個人的には残念。  (2008-11-28)
 この漫画が「問題作」なのは確かだろう。残酷な描写にストーリー。

 しかし、自分はこの漫画を読んだ何人もの人達のように「吐き気をもよおす」とまではいかなかった。それは自分の感性が人と違うせいか、それとも「少女達が囚人の慰み者にされる」とはいっても直接的な描写がそこまでないからか、それとも作者の絵からどうにも「肉」を感じることが出来ないせいか(画力はあると思うが)、それらのすべてなのかはわからないが。

 ストーリーは淡々と、陰鬱な空気の下進む。この雰囲気のまま終わっていれば恐らく実際の歴史でもいくつもあったであろう「人間の暗部」を描ききった作品として自分の中ではそれなりに高評価だったのだろうが、最後の最後で拍子抜けしてしまった。「あんな酷い事をやっていたブラッドハーレー氏も実は罪の意識を抱えていた…」ってそりゃいくらなんでも陳腐過ぎるでしょう。勿論、殆どの人間がそういった「良心」を(量の多少はあれ)持っているのは事実なんでしょうけど。何で最後に変な「救い」を与えるのだろう?

 (少なくとも現時点では)こういう作品が堂々と出版できる日本という国は懐が広いな、と思う。何人かの人が言うように「出版停止するべき」とは全く思わないけど、子供が読まないように(自主)規制はするべきだと思う。成人向けは行き過ぎだから映画のR-15みたいな感じで(漫画って「成人向け」のものと「そうでない」ものの二つしかないけど、なんか極端だと思う)。

 まぁ、このカバーの絵をみて買う15歳以下の子供は、そういないとは思うけど。

この本があなたを選び、あなたがこの本を選んだなら  (2008-11-23)
この漫画はある意味究極のエログロですが、絵は寧ろ抑え気味で、中には決定的な場面を見せずに終わっている話もあります。

丸出しなエロい絵をこれでもかと連発した漫画は、最近では珍しくもありませんが、大抵はストーリーなどあってないようなもので、知的なおもしろさは皆無です。丸出しな絵と卑猥な台詞だけで、なかなか究極の域に達せるものではありません。やり過ぎると逆にしらけてしまったり、嫌悪感しか感じなかったり。

結局、究極的にエロい漫画にする為には、究極的に人を引き込むストーリーが必要だったのだと思います。

数十人の少女に本物の幸運を与え、数百人の少女に生きた絶望を与え、そして数千人の少女に夢と希望を与えた、社会の嘘。被害者である少女達の中にさえある欲望。ほんのわずかなきっかけの有無だけで、加害者になった男、少女を救おうとした男。

女性が性的な暴力を受ける話なので、それが駄目な人は読まない方がいいです。女性全般に対しお薦めしないという意見もあるようですが、私はそうは思いません。男性の場合よりもっと少数派ではあるでしょうが、女性でもこの漫画のおもしろさに反応する人はいると思います。

なぜこんなものを・・・?  (2008-10-14)
内容らしい内容はまったくない、メッセージ性もなくただ不愉快なだけであった。
作者は単に「数の暴力に殺される少女」というシチュエーションがやりたかっただけだと思う。
世界の残虐な暗部を描き出したいのであれば、あまりにもリアリティに欠ける内容だ。
傷ついた少女のモノローグなども、まるで男がいいように思い描いた「諦観の漂う絶望した少女」そのものであった。陵辱を受けた少女の感想が「あんな痛いこと」で済まされていたり。
シナリオの弱さ、登場人物への人格の掘り下げなどがこの作者の弱点ではあるが、こういった内容を市場に流通させるからにはそれなりの説得力を持たせてほしかった。
あとは女性キャラクターの描き分けができていないのも失敗の原因だろう。それは単にすべての女性が同じに見えるというわけではなく、舞台が西洋なのにどうしても日本人のキャラクターに見えてしまう。
この作者はおそらく、女性ををただの記号のようにしか認識できていないのではないか?
ヒロイン役や萌え系漫画でならそれは大いに結構なのだが、女性自身が物語の中心となる内容だと、その人物の思考や同一性までも考慮しなければ筋が通らない。
典型的な「男から見た何を考えているか分からない少女像」でしかキャラクターを作れないのであれば、安易に女性を主役におかないでほしかった。
友人の女性も、「女の子がこの状況下でこの程度の反応、絶望感はありえない」と嫌悪感を顕にしていた。

素晴らしくひどい  (2008-10-03)
これは酷すぎる。ムゴい。吐き気がする、ムカムカする、腹が立つ。
ゆえに素晴らしいということなんだろうが。

タイトルの格好良さと絵柄に魅せられて購入したが、夢も希望もない。あるのは辛い現実だけ。
子供たちの夢や野心が、大人の良心や正義感が、時代の圧力にいとも簡単に潰されてゆく。物語最後に見えた希望も、決してハッピーエンドではない。


だが読まされた。こんな漫画が好きなんて思わないのだが、間を置く事無く読まされたことは、やはりおもしろかったという感想に繋がってしまう。オムニバスで語られた悲劇の断片が、ひとつの物語になったから、僕はそれを評価できるのだ。


のめり込んだ分、後書きの軽率さが重い後味を軽くしてくれたから、台無しだ。