さらば財務省!―官僚すべてを敵にした男の告白 - 和書 - Med草子アマゾンショップ

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高橋 洋一

講談社

グループ:Book

ランキング:973

価格:¥ 1,785

ポイント:17 pt

発売日:2008-03

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カスタマーレビュー

財務省に必要なのはこういう人でしょう  (2008-12-28)
「埋蔵金男」の話題の一冊。これでいろいろ賞をとってますね。橋さんは、東大の理系の研究室を出て、珍しく大蔵省(当時)に入った。郵貯の金利の計算、国家財政のALM (Asset liability management) モデル作成、などで評価され、のちに小泉・安倍+竹中体制のときに郵政民営化にもかかわった。

ひとことでいうと、民間の感覚を持った官僚だったのだと思う。政治の世界では、やったことの評価は票でなされる。官僚の世界では、出世。民間人の場合は、だいたい経済的な利益で評価される。特に、大蔵省/財務省なんてところは経済性で政策を決めなくてはならないのだろうが、力関係でいろいろなことが決まることも多いのだろう。

<大蔵省(財務省)はいうまでもなく予算の総本山で、どの部局でも数字を相手に仕事をしている。なのに、東大法学部出身という法学士が牛耳っているのだから、そもそも無理がある。彼らが熱心にやっている力関係の計算は、仕事には役立たない。財務省には、数学的な素養のある理系の人間がもっといてもいいのではないか。少なくとも、もう少し多様性があっていい。> (p. 52)

その通りでしょう。ニュースを見ていても分からない政治の裏側がよく分かります。

新聞・TV報道に触れる前に、読んでおくべき本だと思います。  (2008-12-09)
大変勉強になりました。新聞やTVの報道だけでは絶対に事実を知りえないことを改めて学びました。著者は、小泉、安部政権でブレーンとして政策立案に加わっていた財務官僚です。出身が、東大数学科ということもあり、旧大蔵官僚としては異色だったのですが、その仕事ぶりも大変異色でした。それは、数学を修めたことに関係するようで、論理で考えるという点にあります。その為、慣習と縄張り意識の異常に発達した財務省の性質とは正反対のことも多いのですが、数学という東大法学部出身者の苦手な分野が強いため著者にしか出来ないような仕事も数多くあり、その才を認めた竹中大臣がスタッフとして引っ張ったことから元に戻れない道を進むことになります。小泉構造改革が目指したものが何であったのか?なぜ安部総理はあれ程まで憔悴して退陣しなければならなかったのか?外部からは窺い知れない政権内部での凄まじい権力争いを垣間見ることが出来ます。それは、永田町対霞ヶ関という構図であり、小さな政府対大きな政府です。永田町の中には霞ヶ関出身者が大勢いて、自民党にも両者がいますので注意しておかないと見分けがつかなくなります。大きな政府は、中央官庁の領土拡大を指します。個人的に素晴らしい人であっても組織に属した途端、まったく別人になってしまうということは日本の企業でも認められることですが、官庁というところは日本で最も古い組織といってもよくその組織の力は物凄いものがあります。そこに立ち入っていったのが、郵政民営化であり、道路公団民営化でした。さらに公務員制度改革という明治維新以来の制度改革に手をつけた安部首相は、遂に霞ヶ関の反撃にあってしまったようです。今の政治の姿、ひいては日本の姿、さらに権力に利用されるマスコミ。冷静にそれらを見る目を養うにはこの本を読んでおく必要があると思います。

優秀な高橋洋一氏と有効な『情報の非対称性』  (2008-09-27)
たびたび竹中構造改革を批判していたスティグリッツ氏の業績のひとつに『情報の非対称性』というものがある。端的に言えば情報格差とでも言えようか。この高橋氏の著書にはそのエッセンスが凝縮されている。

高橋氏は90年代430兆円公共投資した官僚を嘲る。しかし、その発端は当時のクリントン大統領に強く要求され実現したものであり、また当時著書『民富論』にて合計530兆円の公共投資を説いたのは竹中平蔵その人である事には一切触れていない。

確かに氏は技術的には大変優秀なんだろう。『内側』にいて不良債権処理をかなり上手く成功させたのは評価せざるを得ない。無論、この不良債権処理を一番強く要求していたのは米国である(大門みきし議員の国会質問2002年11月分をご覧いただきたい)

2001年〜2004年は日経新聞が「代行返上の売りをしろ」「株の持ち合いは旧式経営だ(早く投げろ)」「銀行を破綻させてもいい、中小企業の貸しはがしもやむなし」と喧伝していた時期と見事に符合する。

要するに日本国政府内部の「アメリカの友人」に不良債権処理を促し、それに呼応するようにメディアをして売り煽りをせしめる。

優秀な氏が官僚叩きをするは構わない。しかし果たして現在の多くの政治家が「劣化した官僚」より優秀だと言えようか。 ブログもろくに更新できない杉村議員や娘のパジャマを愛人に着せるような横峯議員がやすやすと当選する国である。より劣化している政治家は諸外国からの甘言を聞き、より悪い方向に国を導かないだろうか。正直気が重い。

官僚組織を知るための良書  (2008-08-26)
改革の裏でうごめく官僚の抵抗、骨抜き作戦の数々は、納税者の一人として憤りと脱力感を感じさせた。目に見えず数値化できないところで、非効率な業務によって多額の税金が無駄遣いされ続けているこの国の将来はまじヤバイかも。と、考えさせられた。
理数系の素養を持ち、言いたいことを言う著者は、小泉首相と竹中大臣の時代に出るべくして出てきた官僚の異端児である。しかし変動利付き国債への懸念は予言どおりになってしまった。
(以下、日経ネットの記事より引用)
財務省は2008年度の15年物変動利付国債の発行について、当初計画の2兆4000億円から1兆2000億円に減額すると発表した。今月22日と来年2月に予定していた入札は中止する。需給悪化などで価格が急落し、含み損を抱えた投資家が慎重なためだ。不利な条件での発行が続けば国民負担が増える懸念もあり、大幅減額に踏み切る。
 15年物変動利付国債は、固定金利の10年物国債の利回りに連動して利率が決まる。金利上昇時にも買いやすい商品として00年に発行を開始し、都市銀行や地域金融機関などが積極的に購入してきた。
 しかし今年3月に米国の金融不安が深刻化してからは流動性の低さなどが嫌われ、海外投資家の投げ売りも出て需要が急減。市場関係者からは「需給改善のために発行額を大幅に減らすべきだ」との声が出ていた。(引用終わり)
財務省から分離した金融庁は金融機関には厳しい処分をしているが、財務省の国債の商品設計には何も言えないだろうし、含み損を抱えた金融機関に頭を下げることもないだろう。

官僚がなぜダメなのかが明確にわかる  (2008-08-23)
著者の自慢的な書き方や安倍元首相をかばうあたりは、
あまり共感できないとはいえ、
本書に通底する、官僚の官僚至上主義、
事なかれ主義、セクト主義、異分子排除主義などが、
日本社会をいかにおかしくしているか、
内部にいた人間でしかわからないことが、
非常に多く書かれており、
今の官僚機構がなぜ悪いのかが、明確にわかる良書。